わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。好きな映画や海外ドラマの感想や、覚えておきたい出来事など。食べることが好きなのでおいしいものについてもよく書きます。

わたしたちの中学受験⑨ そして、合格発表の日

そして、合格発表の日

中学受験が終わり、いつも息子がやるべきことを書いておくホワイトボードには「ゲームゲームゲームゲーム」の文字が荒く書かれた。

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(こう書くと、受験期間中は全くゲームしてなかったように見えるが、息子は受験勉強の合間に普通にゲームをしていたし(フォートナイトも、スイカゲームも、1日合計30分〜1時間半はやっていた)、なんならPS5のゲーム「カカロット」も、勉強の合間にしっかりクリアまでしてやり込んでいた!!)

 

合格発表の日、息子は学校を休み、夫も仕事を休んだ。

結果は、合格

 

家族で喜び、今まで心配をかけた周りのみんなに、連絡を入れた。

たくさんのおめでとうと、たくさんのおつかれさまを受けて、心がふわっと軽くなった。

その日は、家族全員ずっと食べるのを楽しみにしていた焼肉!

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(ちなみに結果が不合格だったとしても、おつかれさま会として行こうぜ!と言っていた。どちらにしても行くつもりだったのだ)

ホッとしたのち、体調不良が続く

受験と塾通いが終わり、無事合格してホッとしたら、わたしの身になんともいえないどよーんとした体の不調が、それから2週間は続いた。

熱はないが、体がとにかくだるい。

だるくてだるくて仕方がない。

晩ごはんの用意も休みながら作り、途中で横になり休憩しないと、息が続かないほどだった。

ホッとした反動で体の溜まった疲れが表に出てきたのか、それとも、更年期障害からなのか…

息子の受験が終わったらやろうと思っていたあれこれ(美容室に行ったり、年末できなかった大掃除をしたり、友人とランチしたり)が、全くできず、これは完全に予想外だった。

受験を振り返って「決めたこと」

まだ息子が幼稚園にも行ってない幼い頃、テレビを観ていたら、小4の女の子の中学受験を密着したドキュメンタリーが流れていた。

女の子は平日4日間を塾に通い、土日は受験のための別の塾に通い、お休みは木曜日のみという状態だった。

やがて女の子は小6になり、無事に志望校に合格した。

受験が終わり、妹さんとともに手作り餃子のお手伝いをして、穏やかな時間を過ごしている中、娘さんの背中を見ながらお母さんがぽつりと言った。

「娘との思い出は小3までしかないんです。それからはずっと塾でしたから。あっという間にこんなに大きくなってしまって…。これまでが、ぽっかりと空いて思い出がないので、これから入学するまでに、娘とたくさん思い出を作りたいですね」

 

そのホッとした顔の中にある寂しい気持ちと、幼い姿で止まっている家族のアルバムの写真を見た時「中学受験ってめちゃくちゃ大変なんやな」と思った。

わたしには、その印象がとても強かったので、いざ息子が中学受験をすると決まった時、

「わたしたちは、たくさん遊んで思い出を作ろう」と、決めた。

何が正解かは分からない

おととしは夏期講習を何日か休ませて旅行したし、zoomでの受講が認められていた時期は、滞在先のホテルから受講したことも何度もあった。土曜日や日曜日の塾なんて何回休んだかわからないほどだ。

もちろん休んだ分は息子が授業についていくのがしんどくなってしまうので、主に夫が息子と一緒に宿題をしていたし、溜まったプリント類を印刷したりと、休めば休むほど親の負担も共にあったが、それでもわたしたちは息子と一緒にたくさんの思い出を作りたかった。

塾に行ったものの途中で「やっぱり頭が痛いから帰りたい」と言われた時も帰らせて迎えに行ったし(そして帰ってきたらケロリとしてのちに仮病だったことがわかるが、それでも連絡があれば早退させた)、塾に行きたくない、休みたい、と言われたら、それが連続で続かない限りは休ませた。

本当に甘い親だと思うし、これが正解だったのかも分からない。

体調不良以外を休ませてなかったら、息子の意識は変わり、最難関と言われる中学校にも合格して、息子の将来は大きく変わったかも知れない。

でも、わたしたちは息子の子ども時代と過ごせる時間を失いたくなかったし、家族の時間を中学受験のせいで奪われたくなかった。

また、わたしたちがそうしたのは、自分たちが中学受験を経験していないことと、息子の中学受験を前提に塾に行き始めたのではないことも大きかったと思う。

「やめたかったら、やめよう」

という合言葉が家族の中にあったため、中学受験をしたのに、家族の思い出の写真は山ほどできた。最初に決めた「たくさん遊んで思い出をちゃんと作る」は、守ることができたと思うが、これが正解だったのかは、息子の夢が叶うまではわからない。

きっと、塾を休ませずに、厳しく接していても受験が終われば、それが正しかったのか分からなくなっていたと思う。

それならば、最初に決めた「家族でたくさん思い出を作る」を取って、息子のこれからを見守る方で、よかったのかもしれない、と、今これを書きながら思った。