わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。好きな映画や海外ドラマの感想や、覚えておきたい出来事など。食べることが好きなのでおいしいものについてもよく書きます。

編み物が楽しい

20代の頃、よく編み物をしていた。

編み物をしていた、と言っても私が作ることができるのは、まっすぐ長いマフラーだけ。それも、ただかぎ針編みで何編みかは忘れたが、一種類の編み方でざくざくと編み続けるのみの何の技術もないものだ。

昔はまだスマホも世の中になかったし(docomoのiモードだった!)学校へ行くときの電車の中での暇つぶしは、CDウォークマンか、読書か、編み物の3種類。その中でも持ち運びが軽いという理由もあり、電車の中ではよく編み物をしていた。

 

ところが、いつのまにか全く編み物をしなくなってしまい、やり方もすっかり忘れた。昔、私に編み方を教えてくれたのは母なので、母に聞けば分かるかも知れないが、会う機会があまりない。

しかし、今くらいの「少し寒くなってきたな」と感じる冬の入り口になると猛烈に「編み物がしたーい!!」と、実は毎年うずうずしていたのだった。

なにしろ、腰が重い私は、頭の中で考えても実行がなかなかできずに日が過ぎていく。

だが、今年は「えいやっ」と思い切って腰を上げて図書館で「大人でもカンタン編み物」という本を借りて、その勢いで毛糸とかぎ編みの編み針を先に買って、もう後戻りできないように自分を追い込むことにした。今年の私は今までの私と一味ちがうのだ。

手芸屋さんに行き色とりどりの毛糸を見ていると、一緒に来ていた子どもたちも「やってみたい!」と言い出した。しかし、私自身が実際に編めるかわからないから教える自信がない。

けれど、普段、ゲームか読書くらいしか家ではやらない子どもたちに新しい趣味「編み物」をする絶好の機会なので、やらせてあげたい。

そういうわけで、私たちは100均に移動して、リリアン編み器を買うことにした。その大きいリリアン編み器では、ペットボトルケースや小物入れなどが作れるという。当初、私の毛糸や編み針は手芸屋さんで買うつもりだったが、結局息子たちと一緒に100均で全て揃えてしまった。もし万が一、私や息子が挫折したとしても100均で揃えることによって、お財布のダメージは最小限に抑えられるという魂胆もある。こういうところだけちゃっかりしているな、と自分でも思うが、実際100均の毛糸売り場も色も種類も豊富で驚いてしまった。しかしやはり手芸屋さんの品揃えは素晴らしく、毛糸を見ているだけでもわくわくしたので、今回のマフラーがうまくいけば、次は手芸屋さんで毛糸を買おうと思っている。

 

さあ、いよいよ編み始めることにした。図書館で借りてきた本と、YouTubeでも編み方を色々調べた結果、1番簡単らしい長編みで編むことにした。息子たちはそれぞれ編み器の説明書を見ながら編んでいる。いつしか、手は動かしつつも3人で話しながら編めるようにまでなった。

 

夜ごはんのあと、3人でガスストーブの効いた部屋で軽く円になって、互いに自分の手元だけを見て手を動かしながら話をする。まるで仕事をしている内職仲間のようにも思える。

兄と弟はたびたび長さを競い合って見せ合うがほぼ変わらない。「もう蜘蛛の巣みたいになってきた!」などと話しながら編み続ける。

 

さて、私は最初にマフラーの長さを決めるやり方で編み始めたのはいいものの、思ったより長くなってしまった。「自分の背丈くらい長いものがいいなー」と思いながらやってみたら、自分の背丈の2倍の長さになっていた。でももう何段も編んでしまったのでほどくのもイヤだ。どうして本格的に編み始める前に、一度でも持ち上げて長さを確認しなかったのだろう。自分の計画性の無さが心底嫌になるが、後悔しても仕方がないので異様に長いマフラーを編むことにした。異様に長い代わりに幅を細めにしてバランスを取ろうと思っている。

 

寒さがやわらぐころに完成、なんて結果になることはないように、吐く息が真っ白になるころにはどうにか完成させて、外に巻いて行きたいと思う。

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チャコールグレーが私の(異様に長い)マフラー。青が息子(11)、黄緑が息子(8)のリリアン編みの作品。それぞれ小物入れを作るつもりらしい。